20～30年ほど前までは、葬儀はある程度の規模で、ある程度の費用が必要になるものでした。家族や自分に万が一の事があった時に備えて、毎月、積立をする人も増えていました。

　ところが、バブルがはじけた頃から、葬儀の内容、規模の多様化が見られるようになり、家族だけで行う「家族葬」も浸透してきました。「家族葬」は、核家族化が進み、隣近所との付き合いがなくなりつつある現代を象徴するものとして注目され、価格も30万前後と手ごろな料金に設定されていますが、、通夜から出棺までの流れは、通常のものとなんら変わることはありません。その「家族葬」をさらに縮小し、通夜もお経もすべて、遺体安置所でおこなうものもあります。これは、本当に家族のみが参列するもので、お経が終わったら、遺体安置所から出棺となります。料金は、家族葬よりさらに安く、一桁で請け負ってくれるところもあります。

　お葬式の規模は、故人の事情と家族の現状により、それぞれが違って当たり前だと思います。見栄をはって、豪華に見送っても、故人は喜ばないのではないでしょうか。「見栄」より「心」。気持ちがこもった最後の見送りが出来れば、自分たちのこれからの人生にもプラスの経験になるはずです。